そこにオレがいた。
名前は、隠野 玖郎(かくしの くろう)。
本日付でこの学園に転入してきた。
「……で、何でオレ、こんな格好してるんだ?」
右手にはまった黒皮製の手甲。
変なプレイに使いそうな黒皮ボンデージ。
そして、金髪ウィッグ付きのガスマスク。
「………………おおぅ」
どこからどう見ても、何から何を考えても、ただの変態だ。
思わず頭を抱えるオレの周囲で炎が渦を巻いている。
その中で建物が燃え、その形を崩していく。
「ぼーっとしてないで、早くこっちに来て! じゃないと死んじゃいますよ!?」
女の子の怒声に身をすくめながら、声のしたほうへと駆け出す。
珍妙な格好のオレに周囲から黄色い声とヤジが飛ぶ。
けれど、その中に一つだけ低く、静かな声が混じっていた。
それは――
「……さあ、待ちに待った【リブート】の始まりだ……!」
学生が組織する委員会によって全てが決まる学園・私立界嶺学園。
そこに転入してきた初日に謎の爆破事件に巻き込まれたうえ、その真相を探る役目を押し付けられてしまった主人公・隠野玖郎。
昼はごく普通の学生。
しかし、夜は謎のヒーロー【仮面カンサー】となり、学園の闇の中を疾駆する。
そんな二重生活の中で出会った6人のヒロインたちに心を惹かれ、そして思いを通じ合っていく。
その中で次第に明らかになる事件の真相と、その黒幕。
はたして主人公とヒロインたちの運命は……?