これは無数のセクサロイド達が地球に現れた世界の物語――――
男性に精を恵んでもらえず貧困に喘ぐサキュバス達。
サキュバスの母娘「アリエル」と「カミラ」も住む家は疎か今日食べるものも何もない、
そんな身寄りのない彼女たちはある男性に出会ったことで何度も泣かされる事に…
■ストーリー■
異星人からセクサロイドが送り込まれ続け100年の年月が過ぎた。
彼らの目論見通り人類の男性はセクサロイドに陶酔し
人間の女性への興味が薄れた事で少子化が加速していった。
様々な対策を講じているが
今もじわじわと滅びへの道を歩み続けている。
だがセクサロイドに居場所を奪われたのは人間の女性だけではない
架空の存在と思われていたサキュバス達もだった。
男性に相手にされず精を恵んでもらえなくなった彼女達は
生きるためにゴミをあさり、乞食をして飢えを満たす他に方法が無かった。
――――
「ママぁ…お腹空いたよぉ」
「ごめんねカミラ
きっともうすぐご飯貰えるから…、駄目なママでごめんね…」
サキュバスである私、「アリエル」は娘の「カミラ」を養うために
夜の路上で必死に頭を下げ乞食をしていた。
私には住む「家」も、今日食べる「ご飯」もなにもない
「親」もいない、「お金」もない
「学」もない、「仕事」もない
「明日」さえあるか分からない…
沢山の人が目の前を通り過ぎていく
こんなにも人がいるのに私達は誰の目にもとまらない。
この街には私達の居場所はない
私達が死んでも誰も悲しまない、その事実が痩せた身体から気力をも奪っていく。
(もう私達、駄目なのかも…)
心が折れ始めていたその時、私達の前に一人の男性が膝をついた。
「二人とも、良かったら今夜うちに泊まるか…?」
そう話す彼の表情はこの街で見た誰より優しくて、誰よりも傷ついていた…。
※本編にヒロインへの暴力的な行為は一切ないのでご注意ください