長峰 智希(ながみね ともき)は風見坂学園に通う2年生。
両親が海外で仕事をしている関係で、風見坂学園に入学して以来、
幼なじみである深菜川 夕陽(みながわ ゆうひ)の家で下宿させてもらっている。
平穏な学園生活の中、図書委員会の仕事と、
夕陽の家が生業としている喫茶店・夕顔亭(ゆうがおてい)の手伝いが、
放課後の日課となっている。
そんなある日。
智希は、憧れの先輩で図書委員長でもある綾瀬 紗雪(あやせ さゆき)に一冊の本を勧められ、
商店街の外れにある古本屋・風鈴堂(ふうりんどう)に立ち寄る。
智希の予想を裏切らない、寂れた店の外装と調和のとれた店内。
湿り気を帯びた空気、真っ黒に汚れた本棚、ほこりを被った本の数々。
それでも、すぐに店を出るのも悪い気がして、目的の本を探すことにする。
しばしの間、ぶらぶらと店内を眺めていると、何気なく一冊の本が目に留まる。
背表紙には「your diary」と書かれた古びた本。
不思議とその本が気になって、手に取り、おもむろに表紙を開くと――
温かい光と共に一人の女の子が飛び出して来る。
「あなたがゆあの新しいお友達?」
自らを神様と名乗る不思議な少女、ゆあとの出会いを切っ掛けに、
智希を取り巻く女の子たちの運命が動き出す。
真っ白な一冊の日記帳と共に――